9時20分
すべての授業が終わる
席を移動しない2人の生徒
冗談半分で言ってみる
そんなに授業やりたいなら
9時30分コマもスタートするよと
いやです
帰ります
そんな答えを想像し
返ってきた言葉は違った
はい!やります!
2人ともがまさかの反応
いややらないけれども
うれしくなってしまうじゃないか
ニヤニヤしてしまう気持ちを抑えつつ
この反応だけで
もう十分だった
勉強が「やらされるもの」から
「やってもいいもの」に
ほんの少し形を変えた瞬間だった気がする
こちらが引っ張ったわけでも
気合を入れたわけでもない
ただ
空間と時間と積み重ねが
そうさせただけ
こういう場面に出会うたびに思う
やる気は声を荒げて作るものじゃない
静かなところで
ふっと顔を出す
それを見逃さずに
そっと置いておく
塾の仕事って
案外そんなものなのかもしれない