勉強がうまくいかないとき
よくこう言うことがある
「できる人の真似をしてごらん」と
特に勉強時間やワークの回数など
“量”の部分に関しては
そのまま模倣しても一定の成果に結びつきやすい
なにより
自分にもできそうだという気持ちになる
これが大きい
だけど──
この「真似る」という行為は
どこまでも万能ではない
むしろ
仕事や人生の場面においては
真似をすることで
かえって歯車が狂い出すことすらある
なぜか
それは
“やり方”だけを切り取っても
うまくいかない領域があるから
その人が
なぜその方法で成果を出せたのか
それは
その人の性格や
これまでの経験
築いてきた信頼関係や
置かれた状況
そういった“背景の全部”と
セットだったから
いわば
見えない土壌ごと含めての「成功」
けれど
真似をする側は
どうしても“目に見える部分”だけをなぞってしまう
すると──
見た目は似ているのにどこか違う
なぜか結果が出ない
それどころか
自分に合わないやり方を無理に続けて
疲れてしまったり
もとの自分の良さを失ってしまったりすることもある
「誰かの真似をすること」と
「自分らしく成果を出すこと」は
ときに相反するものになる
だから
勉強では
まず“量”から
生活リズムや取り組む頻度を真似てみる
でも仕事や人生では
真似る前に考えてみる必要がある
自分の今とその人の今は
本当に重なる場所があるのか
そのやり方を支えている
土台はなんなのか
それを見ようとする姿勢こそが
たぶん“本当の学び”なんだと思う
表面ではなく
根っこを見る
それが
真似る力の本質かもしれない