ジュースのふたを開ける音
お菓子の袋を開ける音
教室の静けさに
ふと浮かび上がる
でも、それを
「できるだけ静かにしよう」って
ちゃんと考えながら動く子がいる
そういう子に出会うたびに
大切なことを教えられる気がする
昔、いたんですよね
高校生の男の子
授業でも自習でも
いつも大きなカバンを
そーっと静かに下に置く
毎回です
彼は
「自分一人の空間じゃないし、迷惑はかけられないから」って
そういっていました
ああ、ちゃんと分かってるんだなって
それが自然にできるって、すごいなって
学力よりも大事なことが
ここにはある
静かに過ごすってことじゃなくて
“他人の存在を前提に生きている”ということ
塾って、勉強を教える場所だけど
こういう場面に出会えるから
やめられないんですよね
気遣いができる子の姿って
一瞬で心を打つ力がある
だからこそ
それがない子をみると
必要以上に余計に気になってしまうのでしょう
悪気はないんでしょうけどね
わかります
でも、やっぱり思うんです
生きていくうえで
こういう“そっと”の積み重ねが
人をつくっていくんだって
そして、そういう姿勢は
必ず誰かの心に残る
私のように
何年経っても忘れられないまま
そっと置いたそのカバンが
今も心の中にありますから