小論文って不思議だと思う
文章なんだけど、ただの文章ではない
書く人の思考の癖や判断基準
価値観や語彙のストック
どれだけ世界に触れてきたか
そういう“日常の跡”がそのまま滲み出る
ふだん考えていないことは書けないし
ふだん使っていない言葉は出てこない
ふだん触れていない知識は例として使えない
ふだん曖昧にしている論点はすぐに崩れる
積み重ねてきた毎日の密度が
文章という形で可視化されるだけなんだと思う
知識だけでもない
テクニックだけでもない
どんなふうに世界を見てきたか
どんな言葉をためてきたか
どんな経験を自分の中に沈めてきたか
そういうものがすべて表に出る
だから小論文は
直前にひねり出すものじゃない
生き方の断片が
ただ文章の形をして現れるだけなんだと思う