後ろから聞こえてくる足音
徐々に近づいてくる足音
明らかに走っているのが分かる
あ、大丈夫です
怖い話ではありませんので(；・∀・)
私が耳が異常にいいので
割と離れていても音が聞こえる
塾に歩いて向かっている途中
後ろから走ってくる足音が聞こえた
徐々にその足音は大きくなり
そのまま私を抜かしていった
若い女性のようだった
きっと急いでいるのだろう
だいたいこの時間帯
みな駅の方に向かっている
乗らなければいけない電車があるのかもしれない
この追い抜きから
数分後だろうか・・・
ショッピングモールの
自転車置場でその女性を見かけた
あれ？
走っていったのに
まだここにいる・・・
あ〜
なるほど
光景を見て納得
倒れた数台の自転車
おじいさん
そしてその女性
一緒に倒れた自転車を直していた
私の勝手な想像だが
おそらくおじいさんが自転車を停めようとして
もしくはだそうとして
隣の自転車とぶつかって
何台か将棋倒しのようになってしまったのかもしれない
「すいません」
「いえ、大丈夫ですよ」
耳がいい私
数メートル先でもこの会話が聞こえた
そういうと彼女はまた走って駅の方向へ向かっていった
乗らないといけない電車があったはず
そのために走っていたはずなのに
たまたま倒れた自転車を目にし
それを直すのを手伝ってあげたのだろう
なんていい子なんだ・・・
心が暖かくなった
