「こんなに塾課金しているのに成績が上がらない」
また目にしたこの言葉
おそらく言っている本人に悪気はない
しかしだからこそ問題があると考える
人が何気なく選ぶ言葉は
意図的に選ばれた言葉以上に
その人の深層にある価値観を正直に映し出す
特に日常的に用いられる語彙は
無意識の領域にある思考パターンを
率直に表現することがある
「課金」という言葉は
本来ゲームなどで用いられるものであり
その根底には
「お金を支払えば即座に確実な見返りが得られる」
という構造が明確に成立している
だが教育においては
そうした即効性のある交換は成立しない
学びの成果は可視化しづらく
結果が現れるまでに時間を要し
なによりも本人の主体的努力が大きく影響する
教育は即効性よりも
人格と習慣を育てるプロセスであり
金額で買えるものではない
にもかかわらず
このようなワードを
教育というデリケートな場所に用いるということは
「教育=即座にリターンを求める消費行動」という思考が
無意識に定着していることを示唆している
この認識は
子どもの努力や学習に費やした時間といった
本来尊重されるべき価値を過小評価し
成果を金額で買うものへと矮小化しかねない
教育とは「育ち」を支える行為であって
「結果」を買う行為ではない