そろそろ家を出るか
あれ
やけに部屋が暗い
天気が悪いせいか
外を見る
こりゃ降るな
天気予報を確認する
やばい
もうすぐ振り始めるようだ
急いで塾へ行かなくては
おっと
その前に
洗濯、洗濯
洗濯を取り込まなくては
よし完了
急げ
急げ
雨が降り出す前に
玄関を出て走りだす
とはいえ
歳のせいか
普段運動をしていないせいか
たいして走れるもんでもない
急に悲しさが込み上げてくる
あれ?
涙?
いや雨か
まだ差すほどではない
今のうち
ほぼ早歩き
無事に到着
7、8分といったところか
「雨降ってきた?」
「少しね」
「洗濯物は?」
「もちろんいれてきたよ」
「ありがとう」
奥さんとのこの会話で
先ほどまでの悲しさは
どこかへ飛んでいった
男は褒められたい「いきもの」なのだ